今回レビューする作品は『光が死んだ夏』著者:モクモクれん(初巻発行日・2022年)
3巻まで発売しており、現在も連載中の作品です。(2023年6月)
『このマンガがすごい! 2023』オトコ部門1位を獲得した本作品。
前情報一切なく、表紙の雰囲気に惹かれて試し読みをしてみたところ
「これは間違いなく面白い」と確信し、電子書籍で即購入しました。(後に布教するために紙でも購入するくらいハマってます)
登場人物の心理描写や、謎をはらんだストーリー展開にひきこまれます!
ジャンルでいうとホラーかな?…と思ってたんですが、作者のモクモクれん先生曰く『青春ホラー』だそうです。
実際のところ、掲載誌で考えると青年漫画ですが本屋やサイトによっては色んなジャンルに振り分けられてるみたいですね
— モクモクれん (@mokmok_len) June 4, 2023
説明する時はとりあえず自分が描きたい内容と一番ニュアンスの近い「青春ホラー」と言ってます! https://t.co/mge5moo6sE
※ホラー描写はそこまで過激ではないですが、絵柄のテイストがリアルなので苦手な方は注意です。
- 青春ホラー
- 高校生
- 田舎
- ストーリー重視
- 陰鬱とした雰囲気
- BL?
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作品紹介
あらすじ
田舎の集落で暮らす同級生の光とよしき。
一見普通の高校生のようだけど光の中には得体のしれない“ナニカ“がいる…。
その“ナニカ“に気付いていながらも光のそばに居たいよしき。
時を同じくして集落で不可解な事件が起こり始める。
その異変に気付いたある女性がよしきに近づき
「あんた物凄くヤバいもんの近くにおるから…このままやと『混ざる』で」と告げる。
光の中にいる“ナニカ“とは━━。
※以下、ネタバレありの内容になります
↓1・2・3巻の内容をざっくり↓
1巻…光が死んだ代わりに光の中にいる“ナニカ“。そのことを知りながらも何事もないように日常を送るよしきだが、得体のしれない“ナニカ“と、このままそばにいてはいけないという葛藤を抱えている。「本物の光じゃない」とよしきに拒絶された“ナニカ“は自分の感情が抑えきれず…
2巻…感情が暴走した“ナニカ“だったが、自我を取り戻して大事には至らなかった。よしきは“ナニカ“に対して情のようなものを感じ始める。村に起こり始めている異変に対応するべく村の秘密を知りうる住民たちも水面下で動き出す。
3巻…平穏な日々を送っているように思えた“ナニカ“(=ヒカル)とよしきだったが、クラスメイトである朝子にヒカルの正体がバレそうになり、秘密を守るためヒカルが朝子に手をかけようする。よしきに止められ、大事には至らなかったがヒカルをこのままにしてはいけないと思ったよしきは、ヒカルを殺そうとするが失敗してしまう。ヒカルの中にいる“ナニカ“とは何なのか、2人は謎を調べるために動き始める。
光が死んだ夏のここが魅力
謎をはらんだストーリー
夏、集落、学校、怪奇現象…キャラのセリフの間や、背景に描かれている擬音なども相まって全体的に陰鬱なオーラが漂っています。
モクモクれん先生のリアルテイストな雰囲気の絵柄もホラーにマッチしてる!
かと思えば、よしきや光の日常のやり取りに「ふふっ」となる場面もあったりして、本筋とのギャップで何とも奇妙な感覚になる作品です(そこが癖になる)。
幼馴染の光が死んで、代わりに現れた光の姿をした“ナニカ“
“ナニカ“が光の中に住み着き始めたことで村に不可解な事件が起こり始め、集落の一部の人間が対処するために動き始めます。
“ナニカ“は人々にとって悪なのか?助けてくれる存在なのか?
この先、どんな終着点を迎えるのか目が離せません!
BLのようにも感じられる2人の関係性
この作品は女性マンガに分類されるんですが、2人の間にある感情が『友情』じゃないように感じられる描写が多々あるんです。
よしきの「光、俺のこと好きか?」という問いかけに対して
光「めっちゃ 好き」と返すんですけど
その「めっちゃ 好き」はライクの好きじゃないでしょ!ラブのほうだよね?!って表情なんですよ…。
BL風味を感じる描写が多々!
目に見えてわかりやすい恋愛的描写がないからこそ余計に2人の発言の意味を考えてしまって
これ、友情じゃなくて恋愛感情なのでは??!と想像を駆り立てられます。(楽しい)
“ナニカ“を受け入れるべきか拒絶するべきか…判断ができないでいるよしき。
よしき自身もこれ以上ニセモノのヒカルと関わるのは危ないというのはわかってるんですが、光が死んでしまった、という事実を受け入れられずに
“ニセモノでもいいからそばにいてほしい“もう二度と失いたくないという気持ちがあるんです。
光と過ごした過去の回想シーンがよくでてくるんですが、記憶の中の光とよしきがいつも楽しそうで切ない…。
複雑な心理描写がしっかりと描かれていて、よしきの迷いや、苦しさが伝わってきます。
ヒカルもヒカルで“よしきに嫌われたくない、そばにいたい“という思いがあり、感情が抑えられず暴走してしまったあと
「もうあんなことしないから 嫌いにならないで」と泣いてすがります。
その姿をみたよしきは「なんだか可哀想だ」という気持ちになり、自分が導いてやらなければという信念を持ち始めるんです。
追記:3巻を読んだ感想【ネタバレあり】
2023年6月2日に発売された3巻。早速読みました!
3巻のハイライト
- 村人が集落で起きている異変に対処するために外部から「田中」という人物を呼んだ。
- ヒカルがクラスメイトの朝子に正体がバレそうになり、殺そうとしたところをよしきに止められた。
- よしきがヒカルを殺そうとしたけど失敗し、2人でヒカルは何者なのか調べることになった。
初登場人物「田中」は、集落の謎について詳しい様子。3巻ではまだ村の秘密をしるもの達としか絡みはなかったけど、これからヒカルやよしきに接触していくのかな~という感じ。
どう絡んでいくのか展開が楽しみ!
そして、気になるのがヒカルとよしきの関係性の変化や進展の部分。
ヒカルのことを「何もわからないだけ。自分が導いてあげなければ」と思ってたよしきがヒカルが村人を殺めていたという事実を知り、「ヒカルはここにいてはいけない存在なのかもしれない」という考えに至ります。
ヒカルのことを殺そうとして、でも殺せなくて…逆に「死なんのやったら、殺してくれ」とヒカルに頼むよしき。
よしきの懇願にヒカルはパニックになるんですが「よしきのことは特別で殺したくない」という気持ちから、自分の半分をよしきに差し出して“簡単に人を殺せない状態“になることで命を軽くみないことを示しました。
1・2巻ではよしき視点で物語が進んでいくことが多かったように思うんですが、3巻ではヒカルの思考が多く語られていた印象。
よしきにとって光が特別なように、ヒカルにとってもよしきは特別な存在なんだと改めて認識できました。
ヒカルは何者なのかを調べることにした2人の行きつく先はどんな未来なのか…気になります。
まとめ
ホラー&BL(?)・陰鬱とした雰囲気で展開が読めないストーリーが好きな方におすすめの作品です。
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