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BL

ファンタジーBL『夜明けの唄』ユノイチカ|あらすじと感想【ネタバレあり】

夜明けの唄の画像

今回レビューする作品は『夜明けの唄』著者:ユノイチカ(初巻発行日・2021年)

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ユノイチカ先生デビュー作、1~4巻まで発売していて、現在も連載中の作品です(2023年)。ちるちるblアワード2023・シリーズ部門5位を獲得。

ファンタジーもののBLは、普段あまり読まないんですが、人気BLランキングにずっーと入っていてどうしても気になり、手に取ってみることに。

みるみるうちにストーリーに惹きこまれ「続き…続きを…」となる自分がいました(笑)。

世界感の作り込みが深く、ラブ以外の部分でのストーリーも楽しめます!

この作品のキーワード
  • ファンタジー
  • ワンコ攻め
  • 年下×年上
  • ストーリー重視
  • BL初心者向け

作品紹介

登場人物

メインの登場人物はこの2人。

人と隔離された場所で孤独に暮らしていた無愛想な受け・エルヴァと忠誠心が強い世話焼きの攻め・アルト。

【受け】エルヴァ

  • 白髪
  • 美少年
  • クール
  • 年上

【攻め】アルト

  • 年下
  • 長身
  • ワンコ系
  • 献身的

このメインキャラの他に

町の仲間や、アルトの姉、黒い怪物のことを調べている人間・レティやその仲間、エルヴァ以外の覡…など脇キャラもたくさんでてきます。

世界感がかなり凝っているので脇キャラの人数や絡みも多い!

あらすじ

夜の海には近づいてはいけない、黒い怪物が現れるから。

黒い怪物と戦えるのは選ばれた人間・覡(かんなぎ)様だけ。

命を蝕まれながら、エルヴァは覡として島の住民を守っている。

そんなエルヴァと出会い、彼のそばにいることを選んだ少年アルト。

8年もの年月を共に過ごす中で、エルヴァに恋頃を抱くようになっていたアルトだが、その想いは告げられずにいた。

覡(かんなぎ)とは“神の依り代“という意味

↓1~4巻の内容をざっくり↓

1巻→2人は出会い、親交を深める。恋心はアルト→エルヴァの一方通行。遠征に行ったまま、アルトが行方不明になる。

2巻→アルトを心配して自ら探しにいくエルヴァ。2人は両想いに。

3巻→新事実が発覚し、ストーリーが急展開する。エルヴァの嫉妬が見れる。

4巻→覡(かんなぎ)や島の秘密に迫る二人。アルトの出生について衝撃的な事実が。

夜明けの唄のここが魅力

ファンタジーなストーリーに惹きこまれる

正直な話をすると、ファンタジー系BLには苦手意識があったんです。

ファンタジーってまず、世界感の設定を理解するところから始めなきゃいけないじゃないですか。

それに割と時間がかかるタイプで…複雑な設定だと、作品になかなか入り込めなかったりするんですよね。

「夜明けの唄」はどうかな…と思って恐る恐る読んでみたんですが←

一言でまとめると

海の黒い怪物と戦う特別な人間がいて、島民を守ってる。

端折りまくってますが、本筋はそんな感じ!!!

もう少し細かく説明を読みたい人はこちらをどうぞ↓

夜の海に現れる黒い怪物を倒してる特別な人間、通称・覡(かんなぎ)がいて、島民を守ってる。

覡は黒い怪物と戦うたびに命を削っている。体に黒い痣ができて浸食されていき、長くは生きられない。

覡は島内の北を除く、東、西、南に配置されている。

覡が亡くなると次の覡候補が島の中の住民からランダムに選ばれる(突然、白髪になり、覡候補であることが一目瞭然)。

黒い怪物はどこから来たのか、なぜ島民を襲うのか、なにもわからない。

ストーリーに謎の部分が多くて「一体どいうこと?」「この人は敵?味方?」「なにか隠されてる事実があるの?」といった風に先が知りたくなるんです。

1巻からそんな調子で、黒い怪物とは…?ってなっていたんですが、3巻でまさかの急展開。(思いっきりネタバレになるので後述します

次巻からどんな展開になっていくのか楽しみです。

エルヴァとアルトの関係性

ファンタジーBLの“BがLしてる方はどうなんだッ?!“というと、そっちの展開もちゃんとあります。

が、しかし

BL要素は薄めかな?という印象です。

攻め・アルトの片想いから始まり、両想いにはなるんですが、受け・エルヴァがソッチ方面に初心&無知なんですよね。

エルヴァのペースに合わせるアルト。

なので3巻までで、未だハグ、キス、裸で抱き合って寝るけど何もなしの朝チュン。

もっと2人の絡みがみたい!という方には少し物足りないかもしれません。

でも、ファンタジーなストーリーや、キャラの性格を重視するからこそのピュアな絡みなんじゃないかなって思うんです。

2人がどうなっていくのか?よりも、黒い怪物が何なの?のほうが気になってる自分がいる…(笑)

エルヴァは“覡である自分が恋愛をして、幸せな生活を手に入れてはいけない“とどこか気持ちを制御しようとしている部分があって、そういった複雑な感情が読んでいて切なくなります

3巻の衝撃内容

以下、思いっきりネタバレなのでお気を付けください。

夜明けの唄の世界は、服装、建物、名前などは異国風で、時代背景も文明が発達していない頃の暮らしといった様子。

異世界ファンタジーっぽい感じなのかな~??

なんて思いながら読んでいたのですが

3巻で出てきた衝撃の内容。

  • 島の外の世界は現代世界と同じように、文明が発達していて、スマホやインターネットが当たり前にある。
  • 島の領主はそのことを知っていて、事実を島民に隠している。

つまり、現代から隔離された孤島…?!

レビューでは、この設定に難色を示している方もいらっしゃいましだが、個人的にはこれはこれで面白い展開だな~と。

最終的な落としどころはどうなるのか…気になります。

4巻の感想(追記:ネタバレあり)

4巻では3巻ででた衝撃の新事実“島は現代から隔離された孤島だった“ということが明らかになってから、更に外界との島との関係も浮き彫りになっていきます。

過去を記してある手記がみつかり、そこから“黒海が未来のビジョンをみせる“という特性を利用して『覡(かんなぎ)がみたビジョンを外界との交渉材料にしている』ということが分かるんです

覡(かんなぎ)は黒海と戦うことやビジョンをみることを要求され、搾取され続けてきた…今まで島民のためにひたすら戦い続けていたエルヴァでしたが、自分のしていたことはバカなことだったのかもしれないと思い始めます。

そして、アルトは領主の妻であるニナという女性から「アルトは黒海と人間の間にできた子供」だということが明かされます

アルト、人間じゃなかった!!!

黒海と人間のハーフ(?)だから黒海のバケモノにも襲われないし、覡(かんなぎ)にできた痣を癒す力もあったのかもしれません。

物語の真相が着々と分かり始めたわけですが、エルヴァとアルトの進展はというと、かなりゆっくりで未だ本番なしです。

でも、確実に絆は深まっています。

まとめ

ファンタジーBL、ストーリー重視の方におすすめの作品です。

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