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BL

感動系bl『ひだまりが聴こえる』文乃ゆき|あらすじとレビュー【ネタバレあり】

ひだまりが聴こえるの画像

今回レビューする作品は『ひだまりが聴こえる』著者:文乃ゆき(初巻発行日・2015年)

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長期連載しているシリーズものBLで現在も連載中です。

発売順に並べると

ひだまりが聴こえる

ひだまりが聴こえるー幸福論ー

ひだまりが聴こえるーリミットー 1~3巻

ひだまりが聴こえるー春夏秋冬ー

となります。

時系列は上から順番になっており、前作未読だと若干、理解が難しいと思うので発売順に読んでいくことをおすすめします。

正直いうと、BL要素は薄めです!全6冊分発売されてますが、未だにキス止まりです!笑

この作品は、メインCPそれぞれの内面の成長や変化にフォーカスがあたることが多いので、2人のラブ部分のストーリー展開はゆっくりなんだと思います。

また、攻めのキャラ・航平が難聴を抱えているので、障がいのある人と健常者の関わりなどの深いテーマにも触れながら物語が進んでいきます。

2人の間に確かな愛情を感じられる作品になっていて、ストーリー重視・感動系BLが好きな方におすすめです。

この作品のキーワード
  • ストーリー重視
  • 同級生
  • ノンケ×ノンケ
  • ピュア
  • 難聴・障がい
  • BL初心者向け
  • 本番なし

作品紹介

あらすじ

直観的ですぐに身体が動いしてしまうタイプの太一は、務める先々で問題を起こし、バイト先を転々としていた。

そんなとき、大学のキャンパス内で難聴の青年・航平と出会う。

お腹を空かせていた太一に無言で自分のお弁当を差し出し、立ち去ってしまう航平。

お弁当をもらったお礼として、航平のノートテイク※を引き受けることを申し出る。

2人の間に生まれる友情が、いつしか愛情へと変化していくお話。

※ノートテイク…聴覚に障害があり講義内容を理解するのが困難な人のために、講義内容を筆記でまとめて通訳すること

↓ひだまりシリーズ既存全巻ざっくり内容解説↓

ひだまりが聴こえる…大学生編。航平→太一の一方通行。ラストで航平が太一にキスするも付き合うまでに至らず。

幸福論…太一が大学を中退して社会人へ。航平に手話で告白されるが、その場は意味が伝わらず、後日手話の意味を理解して告白されたことを知る。太一も自分の気持ちに気づき、両想いになる。

リミット1巻…付き合うこととなった2人。社会人と大学生で生活はすれ違いながらもお互いを想い合っている。

リミット2巻…すれ違いがこじれて距離が遠くなる2人。難聴の自分が太一の足枷になっているのではないかと悩む航平は距離を置きたいと申し出る。対する太一は航平にもっと頼ってほしいと思っている。

リミット3巻…航平と太一、それぞれが相手への思いをつのらせていく。最後はちゃんと話し合ってハピエン。

春夏秋冬1巻…航平の元カノがでてきてひと悶着おきるけど、航平は太一、一筋なので安定のハピエン。最後に太一と疎遠になった父親から連絡がきて次巻へ。

春夏秋冬2巻…航平の就活がひと段落。太一は父親と会う約束をするけど、ドタキャンされてしまう。その様子をみていた航平は太一にもっと寄り添いたいと思うようになる。

春夏秋冬3巻…航平のインターンシップが始まり、仕事や人間関係に悩まされながらもまたひとつ成長していく。太一との絡みは少なめ。まだまだBが全然Lしない。(笑)

登場人物

メインの登場人物はこの2人。

いつも明るくてちょっとおバカな受け・太一と、後天的な難聴により自分の殻に閉じこもっていた攻め・航平。

【受け】佐川 太一(さがわ たいち)

  • 単純
  • 賑やか
  • まっすぐな性格
  • いじられキャラ

【攻め】杉原 航平(すぎはら こうへい)

  • 難聴
  • イケメン
  • 一途
  • 物静か

未だにキス止まりですが、雰囲気的に受け・攻めはこのように分けています。

メイン2人の他にも脇キャラがたくさん登場してストーリーに絡みます。

脇キャラのストーリーも掘り下げられるのも魅力

※BL展開になるのはメインCPだけ。

ひだまりが聴こえるのここが好き

キャラの心理描写やストーリーが深い

ひだまりが聴こえるのストーリーの主軸は航平と太一の関係性なんですが、航平が難聴を抱えていることで、障がい者に対する周りの理解や、関わりなど難しいテーマも描かれています。

航平は高校生のときに高熱をこじらせ、後天的に難聴になりました。

「耳が聴こえずらい」ことで何度も聞き返したりしなければならない煩わしさや、周りとの隔たりを感じるようになり、人との関わりを避けるようになってしまうんです。

自分の殻に閉じこもっていた航平の前に現れたのが太一。

障がいがある無いにかかわらず、ただ一人の人として接してくれる太一に航平は惹かれていきます。

太一のまっすぐさがまぶしい!

ひだまりが聴こえるーリミットーで2人が付き合うようになった後、聾(ろう)※の青年・リュウに

「付き合ってる人がかわいそう。(航平の)そばにいる人は助ける役目を負う」

と言われ、航平は自分が太一の隣にいるべきなのかを悩みます。

※聾…全く耳が聴こえない人のこと

自分が太一を縛ってしまっているのではないかと考える航平。

相手を想うからこそ離れていこうとする航平に対して

もっと頼ってほしい。航平が安心してそばにいられる存在になりたいと思う太一。

お互いを想うキャラの心理描写がしっかり描かれていて、物語にひきこまれます

また、メインCPのふたりだけじゃなくて脇キャラの背景や、気持ちの変化や成長も描かれていてその話も魅力的なんです。(※メインCP以外にCP要素はありません)

少年マンガとかにある“主人公以外のキャラのバックボーンが描かれていることで作品全体がより面白くなる“みたいなアレです。

リミットで出てくる千葉さんと弟のリュウくんのストーリーが好きだったな~。

印象に残っているシーン

ひだまりが聴こえるー幸福論ーで航平の後輩・マヤに

「太一さんのことが好きなんですか?」と問われ、そこから始まる独白のシーンが印象的でした。

航平は自分が“もし耳が聴こえていたら“どんな世界だっただろうと想像します。

話すことを怖がることもない、踏み出す一歩もずっと軽い、楽しい世界…

でも、その世界にいたら航平は太一とは出会ってなかったかもしれない

そう、2人の関係の始まりはノートテイクだった

「嫌なこともたくさんあったけど

こんな耳いらないって何度も思ったけど

でも太一に会えたから

それでもよかったって…

もしやり直せるって言われても

きっと俺はまたこの人生を選んだと思う

太一と出会えて

幸せだったから」

引用:ひだまりが聴こえる -幸福論-

辛く、寂しい経験をしてきたのに、これから耳が聴こえなくなる可能性だってあるのに

それが太一に出会えたという事実ひとつで、もう一度同じ人生を選ぶって…

航平にとってどれだけ太一がかけがえのない存在かが伝わってくる最高のシーンでした。

BがLしてるパートはどうなの?

ヒューマンドラマ色が強い作品なのですが、あくまでジャンルはBL。

BはちゃんとLしてるんだろうな???

はい。恋愛はしてます!カップル同士の初々しい様子などはあります!!

しかし、はっきり言ってエロシーンは全然ないです!!

ほんと…全然ないです!(大事なことなので2回言う)

でも、逆にそれが『ひだまりが聴こえる』の良さとすら思えてくるから不思議です。

じれったい関係だからこそ、2人に進展が?!ってなりそうなシーンが貴重で…めちゃくちゃ萌えることができます

太一、キスされただけで心臓バクバクで次、どうしたらいいかわかなくて頭真っ白になっちゃうんですよ…

BL界で最もピュアな作品かもしれない

なんなら幸福論やリミットに至っては2人が同じコマにいること自体も少ないです。

なので、CPの絡みがあってこそ!という方には物足りないかもしれません。

最新章の春夏秋冬では二人のラブ方面の進展があるのかな~とわくわくして読み進めているんですが

未だ心のつながり重視!!!!

薄々感じてはいるんですが、たぶんひだまりシリーズに本番が訪れる日は来ないのではないかと思います。(笑)

むしろそれでこそ、ひだまりシリーズ

身体の進展はないけど、気持ちの面ではお互いが以前よりもっと相手のことを好きになって、大切にしていきたいと思っている。っていうのが伝わってきます。

追記(最新刊まで読んだ感想)

ほんとーーーーににBが全然Lしない(笑)

おそらくこのシリーズは幸福論くらいまでが恋愛色強くて、それ以降は人としての成長とかにフォーカスが強めにあたっている感じです。

恋愛ドラマというか、ヒューマンドラマ。

話が進むにつれて、2人の絡みが少なくなってる気すらする。(笑)

まとめ

2人の想い合っている姿に心が暖まる。ストーリー重視の方におすすめの作品です。

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