別れたCPの再出発ストーリー『ロスタイムに餞を』ココミ｜あらすじと感想【ネタバレあり】

今回レビューする作品は『ロスタイムに餞を』著者：ココミ（初巻発行日・2022年9月）

破局したCPが再スタートするまでのお話。まるまる表題作、１巻完結です。

ちるちるblアワード2023・コミックス部門６位を獲得。

破局から始まるお話ということで「暗い雰囲気系なのかな～？」と思いながら読み進めました。

2人のすれ違いとか心理描写に切なくるシーンがたくさんあったけど、最後にはちゃんと心暖まる終わり方で読後感が良かったです。

切なさや愛おしさで胸がいっぱいになるストーリーが好きという方には刺さる作品だと思います！

作品紹介

登場人物

メインの登場人物はこの２人。

長年の付き合いのなか、愛想をつかして別れを切り出した尽（攻め）とマイペースな性格の小説家・桐生（受け）。

ほぼこの２人のやりとりでたまに尽や桐生の職場の人が登場します。

あらすじ

あいつの体温が、今もまだ消えない――

同棲中の自由人な小説家・桐生に振り回され4年、
我慢の限界に達した尽は別れを告げて家を出た。
しかし「寝れない」という桐生からの連絡にしぶしぶ家へ行くと、
あっという間に桐生のペースにのまれてしまう。
桐生の不器用さもかつては好きだったはずなのに「来るんじゃなかった」と後悔する尽。
お気に入りのキャップ、二人で見たお笑い番組、苦手だった枝豆…
未練を断ち切ろうとすればするほど桐生との想い出が溢れてきて――

引用元：ロスタイムに餞を 1巻（最新刊）(GUSH COMICS） ｜ ココミ ｜ 無料試し読みなら漫画（マンガ）・電子書籍のコミックシーモア (cmoa.jp)

ロスタイムに餞（はなむけ）をのここが魅力

心理描写に共感できる

尽と桐生が別れたのは、付き合いが長いと積もっていく不満あるあるで尽が愛想をつかしたことがきっかけ。

同棲生活の中で「ごみの分別」とか「生活リズム」とか…ひとつひとつは些細なことなんだけど塵も積もれば山となる方式で不満を募らせていった尽。

昔は好きだったのに、ずっと一緒にいるうちに嫌に思えたり…自分ばっかりっていう気持ちになったり

長く付き合っている相手に対してこういった感情を抱くことって結構あると思うんです。

しかし、別れを切り出したにもかかわらず未練タラタラな尽。

別れた後も、桐生に流されてセ〇レみたいな関係になってしまいます。

これが一見、流されてる感じもするんだけど尽の本心は「別れたくない」っていうのが根本にあって「（桐生が）やり直そう…そういえば簡単にヨリを戻すのに」って思ってるんです。

でも桐生は桐生で「言葉にするのが苦手なタイプ」なのでそう簡単に自分の気持ちを伝えられない。

そうやって中盤あたりまでずるずると関係が続いていきます。

でも尽の「この関係のままじゃいけないって思いつつも割り切ることができない」っていう部分も人間らしいというか

頭では理解しててもいつでも行動が伴うわけじゃないっていう感じがリアルだな～と感じました。

桐生の変化が良い

桐生は自分の気持ちを言葉にするのが苦手な性格だったのに、別れをきっかけに変わろうとするんですよね。

別れてすぐはなんでもなかった風にして、なし崩しに身体の関係に持ち込んだりしてたのに尽を諦められずに自ら行動を起こしていく桐生。

最終話、最後のデートだからといって桐生は尽をサッカーの試合に誘います。

試合に向かう途中の車の中で桐生のほうから「ごめん」と謝り、そこからお互いの気持ちをぶつけあう２人。

桐生が尽に「流されやすいとか自分では思ってるんだろうけど　尽の人に寄り添えるとこ　俺は好きだったよ」っていうセリフはグッときました。

そして、最後には「帰ってきて」って言葉にしてちゃんと言えたんです。

成長に感動。

ちゃんと言葉にするって大事ですよね。

まとめ

切ない気持ちになる場面も多いけど、最後にはちゃんとハピエンに収まります！

心理描写が多めなのでストーリー重視の方におすすめの作品です。

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