今回レビューする作品は『カラーレシピ』著者：はらだ（初巻発行日・2018年6月）
カラーレシピは、人間の歪んだ心理や予想できないストーリー展開が魅力の作品。
上・下巻で完結しています。
ハピエン、ラブコメ系の平和な世界線のBLばかり読んでいた私にとってこの作品を初めて読んだ時の衝撃が忘れられません。
絵柄が好きだし読んでみようかな～って軽いノリで読んでみたのですが、この作品をきっかけに私は、はらだ先生の虜になりました。
永遠にお気に入りの作品です！
ネタバレを一切読まずに読み始めたからこその衝撃だったと思うので
どんな展開になるのかワクワクして読みたい方はぜひネタバレなしで読んでください！
※こちらの作品は受けが痛々しい目にあう描写があります。地雷の方はご注意ください。
- ストーリー重視
- シリアス
- サイコパス
- ストーカー
- 執着
- 痛々しい描写（下巻）
作品紹介
登場人物
メインの登場人物はこの２人。
二人とも同じ職場で働く美容師同士で、正反対のタイプ。独占欲・執着心が強い攻めと懐柔されきらない受け。
【受け】笑吉
- 黒髪
- ツンデレ
- お人良し
- 無愛想
【攻め】福介
- 執着
- 二面性
- 社交的
- 不器用
この２人の他に笑吉と福介の職場のメンバーや美容室のお客さんなどが登場します。
ストーリーの重要なポイントを担ってる脇キャラも魅力的！
あらすじ
笑吉（しょうきち）の働く美容室に福介（ふくすけ）が入社してからというもの何かとぶつかりあうふたりだったが、笑吉の周りで不気味な出来事が起き……!?
カラーレシピ 1巻(ディアプラス・コミックス/ディアプラス） ｜ はらだ ｜ 無料試し読みなら漫画（マンガ）・電子書籍のコミックシーモア (cmoa.jp)
「一番じゃないと 常に俺のこと考えててくれないと 意味がないし」 笑吉（しょうきち）に並々ならぬ執着を持つ福介（ふくすけ）は、様々な手を使い、笑吉を手に入れたが、彼にとって自分がまだ一番の存在になれていないことに不満を抱いている。もっともっと笑吉を独占するために……!?
カラーレシピ 2巻（最新刊）(ディアプラス・コミックス/ディアプラス） ｜ はらだ ｜ 無料試し読みなら漫画（マンガ）・電子書籍のコミックシーモア (cmoa.jp)
※以下ネタバレを含んだ内容になります！
カラーレシピのここが面白い
王道じゃないストーリーにワクワクする
無愛想だけど技術は一級品の笑吉（受け）と社交的で接客が巧みな福介（攻め）は同じ美容室で働くスタイリスト。
正反対のタイプの2人は相容れず、よく小競り合いしたりして仲がいいとは言えない関係。
そんな中、笑吉の身にストーカー被害が起こります。
無言電話や家のドアノブにいたずらされていたり…そういった場面でさりげなく笑吉のことをフォローする福介。
普段はわざと笑吉を怒らせるように絡んでいく福介だけど、もしかして結構いいやつなのかも！
そして、このストーカーの加害者として一番怪しい人物が美容室の常連客・鬼原さんなんですが…笑吉が鬼原さんと食事にいった帰りに襲われそうになるんです。
しかし！！そんなピンチにかけつけ助けてくれた福介。
その後、自宅まで送ってくれた福介が更に
実は2人は数年前に一度出会っていて、そのときから福介は笑吉のことが好きだったと明かし、告白をしてくるんです。
笑吉にとって印象が最悪な相手だったはずなのに、心配してくれたり、助けてくれて…そこで身体の関係を持っちゃうんですよね。
ほーー。ここでラブになっていくのか！BLっぽい展開だな！
とか思いながら読んでたんですよ…ここまでは
がしかし
このストーカー事件を裏で画策してたのは福介本人だったんです！！！！
鬼原さんが笑吉のことが好きで襲ったのは事実なんだけど
無言電話やいたずらは全部福介の仕業で鬼原さんに全ての罪を擦り付け、自分は笑吉を助けたヒーローとなっていたという…
福介ッ、いいやつじゃなかったんか!!!!
これおそらく読者のみなさん全員（笑吉含め）福介に騙されたと思うんですよ！！！（見抜いてたのリクだけ！！！）
下巻では笑吉を完全に自分のものにしようと更に福介の画策ターンが続きます。
でもその裏工作がバレてしまい、笑吉を手に入れるために乱暴なこと（拷問まがいなプレイ）をしちゃうんですよね…そこで笑吉は完全に福介のことを受け入れられなくなって…
そして、ラストはハピエンではないんです。
2人は結ばれて終わりじゃない。でもこれからも２人の関わりは続いていくんだろうなっていうラストなんです。
この終わらせ方が個人的にグッときました。
BLだけに限らず、漫画ってハピエンストーリーが多いと思うんです。
もちろんハピエンも大好きです！！！
でもこのスッキリしない余韻が残る終わり方が「このあとの2人がどうなっていくのか」「あのとき福介があの行動をとってなかったらこの結末にならなかったのか」とか色んな想像が楽しめる！
胸の中に引っかかりが残る感じが逆にいい。
たぶん、メリバ作品とか好きな人ってそんな感じですよね？（え、違う？？笑）
このハピエンじゃない終わり方にモヤモヤする人もいるかもしれないんだけど、私はすごく好きでした！
福介の本心は
一度執着した相手はどんなことをしても手に入れようとする福介。
笑吉に「（福介は）俺のこと好きなわけじゃない 支配したいだけだ」って言われてしまうんだけど
シンプルに“笑吉のことが好き“っていうのも本心なんじゃないのかなぁって思うんです。
笑った顔みて「かわいい」ってもらしたり、自宅に来てくれた笑吉にすがってる姿とか…
確かに計算でやってる部分が大半なんだろうけど、その計算の中に隠された本心。
福介はかなりサイコパス気味だし、実際に近くこんな人いたら怖いと思うんだけど（笑）
憎めないキャラなんですよね。
笑吉に言われた「俺なんかよりもずっと 人とのつきあい方下手なんだな」ってセリフ。まさにその通りなんだろうな～
こういう不器用な人間くさい部分があるから福介がただのヤバいやつにならずに魅力的にみえるんだと思う
あと、笑吉のチョロいようで最後の最後までは懐柔しきれない、福介の全部は受け入れないって頑固（笑）なところも良いです。
あるあるBL展開だったら「受けが流されて攻めのこと好きになっちゃう」みたいなことが繰り広げられててもおかしくないんだけど、そうはならないのが本作の面白いところ！
まとめ
王道の展開とはかけ離れたストーリーが読みたい方にはぜひおすすめの作品です！
※こちらの作品は受けが痛々しい目にあう描写があります。地雷の方はご注意ください。
メリバ好きな方はこちらも読んでみてください◎
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