今回レビューする作品は『手を伸ばしたら、つばさ』著者:(初巻発行日・2021年)
表題作のみ、一巻完結の作品です。
大学の研究室が一緒の同級生BLで、目標に向かってまっしぐらな明るい受けと人当たりはいいけど闇を抱えている攻め。
この攻めの抱える葛藤が読んでいてつらい…と思う場面もあるんですが、ラストはちゃんとハピエンになります◎
受けに暗い過去がある作品のほうが多い気がするから、攻めの救済BLって珍しい
エロに関してなんですが、電子版は修正ががっつりかかっていて正直なにがなにやら状態です。(それでも甘々な雰囲気は伝わってきます!)
攻めの救済ストーリー、健気な受け、伏線のあるストーリーが好きな方にオススメの作品です。
- DDBL
- 同級生
- ノンケ同士
- 伏線のあるストーリー
- 攻めに暗い過去あり
- 救済BL
- 本番あり
- ハピエン
作品紹介
登場人物
メインの登場人物はこの2人。
研究熱心な受け・力良と編入生で成績優秀な攻め・里美。
【受け】森野 力良(もりの ちから)
- 明るい
- 素直
- 研究熱心
【攻め】里見 千尋(さとみ ちひろ)
- イケメン
- 成績優秀
- 人当たりが良い
- 裏の顔がある
ほとんど二人の絡みですが、ストーリーを展開する上で必要な脇キャラがちょこちょこ登場します。
あらすじ
春から大学の研究室に編入してきた里見は、頭も見た目もよくすぐに周りに溶け込んだ。
同じ研究室で里美の向かいの家に住んでいた力良は「里美に彼女がいないか調べてほしい」と研究室の女子からお願いされ、悪いことをしている自覚はあったものの、夜にそっとベランダから里美の部屋を覗いてしまう。
そこで目撃したのは上半身に大きなイレズミが彫られていた里美の姿で、衝撃と同時にその美しさに魅了されてしまった力良。
部屋を覗いてイレズミをみたことが里美本人にバレてしまい焦るが、里美は気にしない様子。
しかも「力良のことが好きだ」という告白までされる。
その後里美は、力良が熱心に行っている研究も手伝ってくれたり、落ち込んでいたら励ましてくれたり優しくしてくれるようになる。
里美と触れ合うようになり、身体の距離は縮まる二人だったが、里美の瞳に自分は映っていないことを感じていた力良。
それは里美が抱えている過去に理由があった。
※以下、ネタバレを含む内容になります。
『手を伸ばしたら、つばさ』はこんな作品
攻めの過去つらい
誰に対しても優しく、温和な里美(攻め)ですが、心に闇を抱えているんです。
親戚に引き取られるまでアル中両親の元で育ち、家庭環境は劣悪。そして両親の借金の肩代わりに、身勝手な彫り師によって入れられたイレズミ…。
そんな“普通じゃない自分“を心に抱えたままずっと過ごしていた里美。
山田ノノノ先生の作品は受けor攻めに暗い過去があったりして微シリアスな感じが多い◎
里美が唯一、心穏やかになった瞬間が力良と一緒にいたときで、そこから里美の力良への片想いが始まります。
力良を手に入れるための色々な画策をするんですが、結局その行動自体も“普通じゃない“と感じてしまうように…。
里美が終始、過去に縛られて“普通“を探しさまよってる…
自分はこのまま力良といても幸せにすることはできないと考えて身を引くんですが、力良は里美は“普通じゃできないような努力ができる人間だ“と言うんです。
それは二人が一緒に研究を続けている中で見えてきた部分で、普通じゃないことを負い目に感じていた里美にとって救いの一言だったんだと思います。
そして、力良自身も“特殊な研究を続けている自分は普通じゃない“と言って、『そんな二人だからこそ見れる景色があるんだ』と里美に告げます。
過去も含めて受け入れて、これからの未来をどう生きるか。そんなメッセージを感じました。
ストーリーのミスリードがよかった
ストーリーの序盤に里美の部屋の壁に力良の盗撮写真が飾られていたり、力良が“最近、誰かの視線を感じている“という描写があったりして
里美=力良のストーカー?みたいな雰囲気があるんです。
なので物語を読みながら「里美はいつ本性をあらわすんだろう」とワクワクしていました。(笑)
でもそのすべてがミスリードで里美は悪いやつではなかったんです。
里美の部屋にあった力良の盗撮写真も、視線もちゃんと意味があって、伏線がちゃんと回収されます。
予想を裏切る展開が面白かった!
エロ部分の展開がちょっと早い
里美(攻め)→力良(受け)の好意から始まるので、里美が手を出してくるのが早いのはまぁわかるんですが、個人的には力良の流されっぷりがちょっと気になったかな~。
初めて身体の接触があった場所が研究室内で…そんな場所であんな恰好しちゃうの?!ってなっちゃいました。
エロいはエロいんだけど!ちょっと展開早い!
確かに里美はイケメンだし、魅力的なので懐柔されてしまうのはわかる気もするんですが、エロはもう少し心の距離が縮まってからでもよかったかなと思いました。
ある意味BLではよくある展開なのかもしれませんが、お互いノンケ同士だし、う~ん。という気持ち!
展開早くても気にならないよー!って方向けな気がします。
逆に気持ちが通じ合ってからのは甘々でよかった◎
まとめ
暗い過去を持つ攻めの救済ストーリーが好きな方にオススメの作品です。
山田ノノノ先生の別作品、Dom/Subユニバースのこちらもオススメ。受けに暗い過去があります。
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