ハピエンよりもシリアス、バトエンよりも救いがある。
読み手によって解釈も様々で、胸が詰まるような辛い展開、ときに感動、読んだ後に心に残り続ける余韻…それがメリバ作品の良さ!!
一時期メリバ作品にハマりそのジャンルばかり漁るように読んでいた私がおすすめのメリバ作品をまとめました。
メリバにハマろう!!!
後半に『メリバは好きだけど、地雷は避けたい』という方向けにそれぞれの作品の地雷ポイントをまとめましたのでそちらも参考にしてみてください。
ただし、地雷ポイントはネタバレ要素があるのでネタバレなしで読みたい方は回避をおすすめします。
メリバとは?
メリーバットエンドの略で、“陽気な、楽しい“といった意味を表す「メリー(merry)」と悪い結末を表す「バッドエンド(badend)」を並べて作られた造語。
読み手の解釈によってハッピーエンドともバットエンドともとれるような結末の作品に使われます。
例えば、メインCPがふたりで心中した場合、ふたりにとっては幸せな選択であっても周りの人からみたら不幸な結末になったとも捉えられますよね。
メリバの良さ
メリバは基本的に読後感にモヤモヤだったり、ずっしりと重たい感情が渦巻くことがあります。
でもそれがハピエンにはない良さでもあると思うんです。
シリアスなストーリーの映画をみて思いっきり泣きたいとかそういう気分のときってありませんか?
メリバってそれと似たような感じがある気がしてて、胸が締め付けられるような感情に浸りたいって気分のときに読みたくなるんですよね。
辛いし、切ないんだけどそれがイイ…。
人間のドロドロした部分含め心理描写がしっかり描かれていたり、ストーリーにひねりがあるものが多いのでそういう作品が好きな人にも刺さると思います。
CPの絡みor萌えよりもストーリー重視な感じ!
おすすめのメリバBL
60億分のふたり
いじめ加害者×いじめ被害者のBLで、微ファンタジー要素のあるストーリーの作品。
いじめられ不登校になったいじめ被害者である香藤(受け)は、自殺を計ろうとしたが死ねず“不死身の身体と人の心の声が聞こえる力“を手に入れます。
それが原因でますます殻に閉じこもるようになってしまうんですが、あるときいじめの加害者である織田(攻め)に街中で偶然再会し、目の前で織田が交通事故にあうんです。
病院のベットの上で目覚めた織田は、何故か香藤と同じ力を手に入れていて…。
物語の設定がかなり珍しいBLだな~と思ったんですが、この“互いに同じ特殊能力を持つ“という設定によって『相手だけが唯一、自分を理解してくれる存在』となっていくんですね。
同じ苦しみを抱えることによって、自分を理解してくれるのは相手だけだと思い込みどんどん執着していくようになります。
ただ、執着してるのほぼ織田(攻め)です。
いじめの加害者であった織田が狂っていく様が読んでいて恐怖!
でもその織田の狂いっぷりが読んでてクセになる
一方、香藤(受け)は織田から逃れたいと思っているんですが、最終的には共依存のような関係性になります。
本番も一応あるんですが、全く愛がないです。
- 攻めが束縛&イカレてる
- 受けが不憫
- 共依存
- 狂気染みたストーリー
が好きという方におすすめの作品です。
過去に詳しいレビュー記事も書いているので気になる方はこちらもどうぞ!
薔薇とヘドロ
※表題作(4話)と短編2話が収録されてます。
クズで女遊びも激しい大我と学校のキングで年上の幼馴染・理人。
大我は幼いころから理人を慕っていて、理人も大我に対しては甘い態度をとっていました。
でもあるとき大我が理人の彼女に手を出してしまい、その制裁として大我は理人に犯されてしまうんです。
兄のように慕っていた存在からの暴力的な本番…
ひたすら謝罪を繰り返す大我ですが、理人からの許しがもらえずひどい仕打ちをされ続けて心が壊れていきます。
そんな大我の様子をみて満足そうな笑みを浮かべる理人の心理とは…。
攻めの闇が深い系のストーリーなんですが、最終的には大我も理人に依存して共依存の関係性になります。
受けの大我はまぁクズなんですが、かなり可哀想な目にあってるのでそこが許容できるかでこの作品のあり・なしが決まる気がする。
ちなみに本番シーンはけっこう多めなんですが、ほとんど無理やりです。(お互いが求めあってちゃんとしてるのは描き下ろしくらいかも…)
ひどい仕打ちを受けるシーンは暴力表現がわりと過激だな~と思った!
- 攻めの執着&狂気
- 受けが酷い目に合う
- 共依存
- 攻めの激重感情ストーリー
が好きという方におすすめの作品です。
にいちゃん
近所に住む年上の優しいにいちゃんによく遊んでもらっていたゆい。
ある日にいちゃんに乱暴されそうになり、怖くなったゆいは逃げだします。母親に助けられ事なきを得ますが、にいちゃんとはそれきり疎遠に。
しかし、にいちゃんと関係を断ってしまったゆいはずっと心残りを感じているんです。
高校生になったゆいは偶然にいちゃんと再会し、そこからまた二人の歪んだ関係が始まります。
この作品を読んだ後かなり重苦しい気持ちになってしまったんですが、ただそれだけではないんです。
にいちゃんの過去、二人の関係性の変化、ラストの展開…すべてが上手く繋がっていて単純にストーリーが上手い。
序盤はいちゃんがかなり悪者に見えてまっていたんですが、話が進むにつれて見方が変わっていくし、再会してすぐの頃はにいちゃんの言うとおりに従っていたゆいが、だんだんとにいちゃんを追い込むように立場が逆転していく様も面白いです。
初め「俺から逃げないでね」と言っていたのはにいちゃんなのに、最後はゆいのほうが「もう逃げないって約束できる?」と言うの。完全に形勢逆転してる…!
小児性愛や、同性愛への世間の目、普通とはなんなのか…などかなり切り込んだ内容になっているので色々と考えさせられる作品になっていると思います。
- 年の差CP
- ひねりのあるストーリー
- 受けの執着
が好きという方におすすめの作品です。
※本作品は地雷ポイントも多いので、気になる方はコチラ→地雷ポイント紹介
はらだ先生の作品の短編集で「ネガ」と「やじるし」にもメリバ作品が収録されているのでおすすめ。(※短編集なのでメリバではないのも含まれています)
メリバだけじゃないんですが、はらだ先生の作品が好きなのでこんな記事も書いてます。
マグネット兄弟
SEX依存症の兄・龍太(受け)とそんな兄を心配している弟・寅次(攻め)。
兄が出会い系サイトで厄介な男とマッチングした場面を助けてから龍太が寅次に「相手してくれない?」と言うんです。
「兄が変な男に引っかかって危ない目にあうよりはマシ」と、その言い分を受け入れた寅次は、龍太と身体の関係を持つことになります。
兄に龍太に対して異様に過保護な一面をみせる寅次。その理由は二人の過去に…。
この作品で面白いなと思ったのは、物語序盤からちょこちょこ伏線のような過去の描写が挟まれてなにやら不穏な空気が漂っていて、それが後々回収されるところ!
しかも、内容がかなり衝撃的なんです。
人によってはかなり嫌悪感強めに抱いちゃうような内容かも…
ほわほわした雰囲気の絵柄のわりに内容が重いのと、本番ががっつりあるのもギャップでした。
内容が重いんだけどキャラのやり取りが深刻がじゃないおかげでシリアスとはまた違う印象なんですよね。
レビューをみるとわりと『ハピエンでした』と書いている方が多かったのですが、個人的には“重い過去を背負ったゆえの結末なのでは?“という感じがしたのでメリバ判定させていただきました。
- 兄弟モノ
- ビッチ受け
- 伏線のあるストーリー
- エロ多め
が好きという方におすすめの作品です。
※本作品は地雷ポイントも多いので、気になる方はコチラ→地雷ポイント紹介
心中するまで、待っててね
幼少期、隣の家に住む葵兄ちゃんのことが大好きだった福太。
成長し社会人となった福太は、引っ越したアパートの玄関先でなぜか昔の姿のままの葵兄ちゃんと再会します。
葵兄ちゃんから自分を匿うようにと指示され、同居生活を始めた2人。葵兄ちゃんと再会したことで、福太の一部失われた幼少期の記憶が少しづつ蘇って…。
この作品は陰鬱でツライ作品の多いメリバの中でも“読む人を選ぶ“って感じの内容で、結末も含め衝撃的な展開が待ち受けてます。
特に葵兄ちゃんの生い立ちや、心の中にためていた本当の気持ちを吐露するシーンは辛く悲しい感情でいっぱいになりました。
レビューでは“感動した“という方もいる一方、“酷すぎる仕打ちで読んでいられなかった“という意見も…。
どちらの意見もわかる…。私は、葵兄ちゃんの過去パートがツラすぎた。
個人的に思うこの作品の感動部分は、福太が孤独だった葵兄ちゃんを見つけられたところかな。酷い経験ばかりだった葵兄ちゃんが少しでも救われてくれたのならば…と思いました。
作品の雰囲気は上巻の若干ホラー&2人の絡み(ドキドキ系)からの下巻、怒涛の残酷&感動っていう感じ。
- 年下×年上
- 伏線ありのストーリー
- 感動系メリバ
- 切ないラスト
が好きという方におすすめの作品です。
※本作品は地雷ポイントも多いので、気になる方はコチラ→地雷ポイント紹介
詳しいレビュー記事もあるのでよければ読んでみてください。
遥か遠き家
舞台は90年代のアメリカ。熱心なカトリックの家で両親から厳しくしつけられ窮屈な生活を送っていたアランと、そんな彼の前に現れた放浪者の青年・ヘイデン。
街中で偶然出会ったことをきっかけに親密な関係を築いた2人は、お互いの悩みを打ち明け、それぞれがツライ過去を背負っていたことを知る。
そしてアランはヘイデンと共に、生まれ育った街を抜け出す決意をする。
冒頭から詩的なモノローグが入ったり、会話の中に「罪」「罰」「救い」など宗教的な言葉がでてきて、なんだかシリアスなハリウッド映画を観ているような感覚になります。
内容的には2人の過去が重くてツライいし、途中の展開も「お願いだからやめたげてッ?!?!」って懇願してしまうくらい苦しいです。
まじで途中の展開が…苦しい!!(大事なことなので2回言う)
これからふたりで幸せになれるんだろうな…と思わせといてからの地獄。みたいな流れなので読んでて本当つらかった!
でもそれも含めて読み終わった後は感動する作品なんです…。
特にラストシーンは切なすぎてずっとうるうるしてました。
私は涙腺が頑丈すぎて涙こぼれるところまでいかないだけど、涙腺が弱い方は決壊してしまうと思う!!
どこにも居場所がなかったけど、相手の存在が“帰る場所になる“そんなお話。
- 逃避行モノ
- 感動系メリバ
- 綺麗な絵柄
- 切ないラスト
が好きという方におすすめの作品です。
各作品の地雷まとめ(ネタバレ含む)
※以下、地雷紹介=ネタバレ含みます!
60億分のふたり…無理やり
薔薇とヘドロ…無理やり/暴力描写
にいちゃん…性犯罪/小児性愛者/リバ
マグネット兄弟…兄弟モノ(弟×兄)/実父からの性的虐待(兄のみ)
心中するまで待っててね…死ネタ/受けが強 姦される(過去)/殺人
遥か遠き家…死ネタ/受けが強 姦される(過去)/殺人
まとめ
陰鬱な雰囲気、ひねりのあるストーリーが好きな方はぜひメリバ作品にチャレンジしてみてくださいね!
ちなみにどの作品も本番ありなんですが、60億分のふたり・薔薇とヘドロ・にいちゃんは糖度低めで、マグネット兄弟・心中するまで~・遥か遠き家は糖度ありです。
基本的にどの作品もエロ<ストーリー重視です。(マグネット兄弟はエロ多めかも)
電子書籍を少しでもお得に買いたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
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