今回レビューする作品は『雪の妖精』著者: 芹沢知(初巻発行日・2022年)
表題作のみ、1巻完結の作品です。
ちるちるblアワード2023・ベストBL部門で第13位を獲得。
投票してくださった皆様ありがとうございました🙇♀️頂いたコメントは全て転送して頂いております。昨年より国際色豊かな感想一覧に驚きつつ、大切に拝読させて頂きました。とても励みになります。ありがとうございます🫶
— 芹澤知 (@serizawatomo89) March 31, 2023
Thank you for voting & your warm comments 🫶 https://t.co/YVCls1SgcE
動物写真家の成美と、北海道の田舎町に一人暮らししている青年・春樹のピュアなストーリー。
北海道の白銀世界が細部まで美しく描かれていて、物語に惹きこまれました。
本番なしのストーリー重視な作品で、読んだ後には暖かい気持ちになれます。
ピュアなCP・穏やかなblが好き!という方におすすめの作品です。
- 北海道
- 冬・雪
- 社会人bl
- ノンケ×ノンケ
- ストーリー重視
- BL初心者向け
- ピュア
- ハピエン
- 本番なし(キスのみ)
作品紹介
あらすじ
北海道の田舎町に住んでいる春樹は、野鳥の撮影で地元に訪れていた動物写真家・成美と出会う。
宿のあてがなかった成美を冬の間だけ居候させてあげることになり、2人の同居生活が始まる。
人懐っこい性格で近隣に住んでいる祖母や友人とすぐに打ち解ける成美の姿をみて、内向的だった春樹も少しづつ心を開いていく。
成美にカメラを教えてもらったり、食事を一緒にとったり、成美の撮った写真を見せてもらったり…。
春樹にとってつらい記憶が残る冬。しかし、成美と過ごすこの年の冬は暖かな気持ちであふれていた。
冬の間だけの同居生活、春になったら離れてしまう。最初からわかっていたことなのに、いつの間にかお互いに寂しさを感じるようになっていて━━━
田舎に住む純朴な青年と年上カメラマンが心を通わせていくお話。
登場人物
メインの登場人物はこの2人。
内向的で人と深く関わろうとしない春樹と対照的に社交的な性格の成美。
穂村 春樹(ほむら はるき)
- 黒髪
- 内向的
- 初心
- ノンケ
成美 輝一(なるみ あきひと)
- 動物写真家
- 社交的
- 年上
- ノンケ
本番がないので受け攻めはわかりません。
でも、なんとなく春樹が受けで成美が攻めっぽいな~って思ってる
『雪の妖精』のここが魅力
どこまでもピュアなストーリー
BL作品を読んでると割と気になるポイントだと思うんですが…
本作品は本番がないです。
大事なことなので2回言います。
本番はありません!
でも逆にそれがこの作品の良さを引き出してる気がします。
BL作品読んでいて「エチをねじ込んでる感」を感じるときってたまにあるので、逆にこういったストーリー重視・ピュアなノンケ同士CPのお話で1巻完結だったらエチまでいかなくてもいいな。と私は思いました。
もちろんCPの本番は好きなんですけども。はい
お話もそこまで大きな波風はなく、穏やかです。
ストーリーに意外性を持たせたりしてるというよりは、心理描写が丁寧に描かれてるという印象でした。お互いに対しての想いを綴っているモノローグもあったり。
冬の情景の美しさの中で2人の距離が少しづつ縮まっていくのをそっと見守っている気持ちで最後まで読みました。(その後の2人についてはあとは己の妄想で補完。笑)
春樹の変化
物語冒頭で成美に「冬なんてはやく終わればいい」と、どこか悲しげにつぶやいていた春樹。
そのとき成美はその言葉の意味を計りかねていたんですが、後日、春樹の両親が雪の降る冬の日に交通事故で亡くなっていたことを知ります。
冬という季節が好きではなかった春樹が、成美と共に過ごす冬はなぜだか暖かくて…今年の冬が長くてよかったと思うまでに変化するんです。
成美がそばにいてくれると思うと、長い冬も悪くないって考えてる春樹が愛おしい~~~
また、両親が突然帰らぬ人となった体験をした春樹は「またね」という言葉を使おうとしませんでした。
でも成美と最後の別れのシーンで「しったけね」(北海道弁で「またね」)と言えるようになったんです。※輝一とは一度(物理的に)離れますがそのあと春樹の元に帰ってきてくれます。
春樹が成美と過ごしてどれほど前向きに生きられるようになったかが伝わってきてグッときました。
好きなシーン
2人が同居生活を送る中で、成美にコツを教えてもらいながらインスタントカメラで好きなものを撮影していた春樹。
そのカメラで撮った写真を眺めていると、最後の一枚に成美が撮った春樹の姿が写っていたんです。
それをみた春樹が
『大好きな人の目に映る自分の姿。それは成美さんにしか撮れない。ラブレターみたいだった。』
って思うんです。
恋人が撮ってくれた自分の写真を“ラブレター“と表現するの良いなと思いました。
写真を通してちゃんと春樹に愛が伝わっていてよかったね~!!とにっこり
まとめ
美しい情景と共に育まれるCPのピュアストーリー。暖かな読後感を求めている方におすすめの作品です。
こちらのCPもピュアで穏やか◎
本番なしのピュアbl・ストーリー重視の作品です。
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